2月某日
某ブックファーストで購入。
木村泰司『印象派という革命』(集英社)。
棚の背表紙が気になったので手にとってひと通り立ち読み。冒頭の絵の写真が充実しており、ベルト・モリゾやメアリー・カサットに一章をもうけてあるので買うことに。モリゾとカサットを解説した本は意外に少ないのだ。
印象派についての本は世の中に数あふれているけど、個人的には印象派を専門に扱った本は初めてなのでとても愉しみにして自宅で読み始める。
著者はカリフォルニア大学で美術を専攻し、イギリスはサザビーズの美術講座で絵を学んだという人。「サザビーズ」というところが異色で、きっとヴィヴィッドな美術論が展開されるのだろうと期待していたのだが・・・。
文章がちょっと下手すぎるのではないか。別に句読点の使い方や誤字云々というわけではなく、文章の流れとして違和感(ひっかかり)を覚えることが少なくない。フランス近代の美術史が最初に概観されるわけだが、解説すべきところを解説せず、差し挟むべきでないことを差し挟んでいていかにも読みにくい。編集者の怠慢を問いたいところだ。
だが、内容はとても面白いもので、なぜ印象派が当時のフランス美術界で受け入れられなかったのかがよくわかる。すなわち、フランスの美術アカデミーには「美」の規範があり、その規範と相反する絵を印象派は提示したのであった。
ま、本書の醍醐味はこれからだろうから、とりあえず読み進めよう。
(つづき)
24.2.24.「木村泰司『印象派という革命』についてのメモ 」
0 件のコメント:
コメントを投稿