2009年6月19日金曜日

坪内祐三の『文学を探せ』を読み終えて


6月18日

寝る直前に寝ぼけながら坪内祐三『文学を探せ』を読了。本書の内容について読者は「独断的な、余りに独断的な」と思えるかもしれないが、しごく本気で正攻法の批評だと思う。馴れ合いとすっとぼけ、硬直と閉鎖性が蔓延する今の文芸誌について、まさしく文芸誌の誌面でそのような指摘をしたのは立派。

それとは別に、いくつもの面白い本を教えてもらった。例えば、沢木耕太郎の初期エッセイ。沢木ノンフィクションにあまり関心がなかったのに、これは読み応えがありそうだ(特にフィクションとノンフィクションの違いを語る語り口なんてもう)。さらに、八木義徳『私の文学』や鶴田欣也『越境者が読んだ近代日本文学』、出口裕弘『辰野隆 日仏の円形広場』などなど。雑誌の掲載時にはときどきしか読んでいなかったこの連載、いやいや想像以上に面白かった。

0 件のコメント:

コメントを投稿